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佐伯 正克
JAERI-Review 2003-030, 50 Pages, 2003/11
本総説は、溶液系から合成可能なウラン及びネプツニウムの化合物を中心に、その合成法と性質についてまとめたものである。ウランに関しては、3価の化合物3種類,4価の化合物4種類,6価の化合物23種類についてやや詳しく述べた。ネプツニウムに関しては、5価及び6価の貯蔵液の調整法,3価の化合物4項目(6種類),4価の化合物8項目(19種類),5価の化合物28項目(29種類),6価の化合物10項目(14種類)及び7価の化合物5項目(9種類)についてやや詳しく述べた。 また、詳しく記述できなかった化合物については、第5章に化合物名を列挙し、参考文献を示した。ここで用いた資料は、ウラン及びネプツニウム化合物の物性を、主な研究手段としてメスバウア分光法を用いて調べる研究活動過程で集積したものである。そこで、最後にアクチノイドのメスバウア分光法に関する総説類を列挙した。
Krot, N. N.*; 佐伯 正克
JAERI-Review 2003-005, 37 Pages, 2003/03
本総説は、ロシア科学アカデミー・物理化学研究所・N. N. Krot教授により1997年に英文で記述されたものを、佐伯が翻訳したものが基礎となっている。分かり難い箇所については、原論文を読むことにより内容を補足したり、訳者注を付加した。さらに、1997年以後のデータを若干付加した。内容は、ネプツニウム5価化合物を中心に、陽イオン-陽イオン相互作用に関する全体像を記述したものである。まず、ネプツニウム5価化合物に現れる、陽イオン-陽イオン結合の特徴を紹介し、化合物中での陽イオン-陽イオン相互作用が、その物性に及ぼす影響や、陽イオン-陽イオン結合の確認手段等に言及した。さらに、他のアクチニドイオンの固体化合物中に見いだされる、陽イオン-陽イオン結合を概観するとともに、アクチニドイオンの固体化合物中と溶液中の陽イオン-陽イオン相互作用を比較して述べた。
村松 久和*; 石井 寛子*; 田中 栄司*; 三沢 雅志*; 伊東 誉*; 三浦 太一*; 武藤 豪*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.251 - 255, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)金属中のCs不純物原子についてアイソマーシフトの振る舞いを調べた。TIARAのオンライン同位体分離器を用いて、各種金属にXeをイオン注入し、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。スペクトルを多成分解析して、金属原子と置換した位置にあるCs原子のアイソマーシフトを求めた。アイソマーシフトとホスト金属の電子構造の間に相関が見られ、ホスト金属の伝導電子密度がアイソマーシフトに大きな影響を及ぼすと結論した。
村松 久和*; 田中 栄司*; 石井 寛子*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 藤田 雄三*; 小俣 和夫*; 武藤 豪*; 小泉 光生; et al.
Physical Review B, 58(17), p.11313 - 11321, 1998/11
被引用回数:5 パーセンタイル:32.39(Materials Science, Multidisciplinary)Csの81keV遷移のメスバウア効果に関して、同異体シフトの校正定数(核位置での電子密度に対する比例係数で、遷移前後の原子核半径の変化率)は、これまで核位置での電子密度に理論値を用いたため信頼性に乏しいものであった。本研究では内部転換電子強度の測定から実験的に核位置での電子密度を求め、校正定数を決定した。Xeを同位体分離器により各種金属箔にイオン注入し、液体ヘリウム温度でメスバウアスペクトルを測定した。同じ試料について空芯線スペクトルメータで内部転換電子スペクトルを測定した。その結果、校正定数として+(1.50.5)10を得た。この結果をもとに、高融点金属中にイオン注入されたCs原子の非常に大きな同異体シフトを5p電子の6s電子に対する遮蔽効果を考慮して解釈した。
筒井 智嗣*; 那須 三郎*; 中田 正美; 正木 信行; 佐伯 正克; 生嶋 健司*; 安岡 弘志*; 中村 彰夫
Journal of the Physical Society of Japan, 67(8), p.2641 - 2644, 1998/08
被引用回数:8 パーセンタイル:53.70(Physics, Multidisciplinary)UOのU NMRとUメスバウアー分光を行い、Uの第一励起状態のg因子を決定した。1.5KではU核位置において252.30.5Tの内部磁場を生じ、U核は59.13.9mm/sのゼーマン分裂を生じていることが明らかとなった。これらの結果からUの第一励起状態(核スピン:I=2)におけるg因子の大きさがg=0.2540.015と決定できた。また、Uメスバウアー分光から得られる内部磁場の大きさは磁気分裂(核のゼーマン分裂)1mm/sあたり4.270.28Tであることが明らかになった。
中島 幹雄; 佐川 千明
Radiation Physics and Chemistry, 53(1), p.31 - 36, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.01(Chemistry, Physical)多孔質ガラスに担持した鉄酸化物微粒子を、40keVMeイオンで照射すると、Feが3Feへの還元反応が起きた。この反応をメスバウアー分光法で追跡した。Fe収率は、イオンの全照射量とともに増加し、最高約80%に達した。この異常な収率は還元反応がHeイオンの飛程を超えて起きていることを示している。さらにFe収率は明らかな線量率依存性を示した。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 97-001, 40 Pages, 1997/03
地下水は長期間にわたってベントナイトに接触すると化学反応を起こし、その化学組成を変化させる。そして、地下水は炭素鋼のオーバーパック表面に達すると炭素鋼を腐食させる。このときの地下水の化学組成は、炭素鋼の腐食に関わる条件を得るために重要である。このような地下水の化学組成や腐食生成物の正確な知見を得るために、さまざまな条件下での鉄-地下水-ベントナイトの化学的相互作用を評価するため、メスバウアー分光法を用いて検討した。さらに、ベントナイト共存下におけるオーバーパック腐食生成物の存在形態を理解するために、ベントナイトクニゲルV1およびクニピアFを各種金属塩の水溶液に浸漬した場合の鉄化学種の変化をメスバウアー分光法で検討した。蒸留水、60で7日間の浸漬実験をおこなった。用いた金属塩は硫酸銅、硫酸ニッケル、塩化コバルト、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウムである。その結果、ベントナイト中の鉄の化学形態はクニピアFでは常磁性三価二成分、二価一成分、クニゲルV1では三価一成分、二価二成分に解析され、金属イオンを含む溶液では相対的に三価成分が多くなって観測された。
中島 幹雄; 佐川 千明
Applied Radiation and Isotopes, 48(5), p.579 - 586, 1997/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.47(Chemistry, Inorganic & Nuclear)多孔質ガラスに担持した鉄酸化物の水素還元挙動及びイオン照射効果をメスバウアー分光法を用いて調べた。担持された鉄酸化物は四極子分裂を示す2つのダブレットから成るスペクトルを示し、-FeO微粒子であると結論した。水素還元によって配位数の異なる2種のFe化学種が生成し、四極子分裂を示す2つのダブレットが得られた。40keV Heイオン照射でも、同様に2種のFe化学種が生成し、水素還元の場合と類似のスペクトルが得られた。この時Feの収率は約80%にも達し、Heイオンの飛程を超えて還元反応が起きていることが分かった。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 96-001, 52 Pages, 1996/03
本研究では、接触する水溶液に着目し、地下の低酸素条件を模擬した窒素雰囲気下でベントナイト共存下及びベントナイト非共存下での鉄粉と水溶液の反応実験を行ない、メスバウアー分光法により鉄の化学状態について検討した。炭素鋼オーバーパックが地下水と接触した際に生ずる腐食生成物を分析した。鉄粉-ベントナイト-溶液(蒸留水、人工海水)混合物、鉄粉-ベントナイト比(1:1)で鉄粉-溶液比が2ml/gおよび10ml/gの試料を作成、メスバウアースペクトルを観測した。その結果、鉄粉末の蒸留水、人工海水系による腐食生成物としてマグネタイトの生成がわずかではあるが観測された。また、オーバーパックの外側の緩衝剤として用いられるベントナイト(クニピアF、クニゲルV1)の蒸留水に対する変質をその中に含まれる鉄の化学状態の変化から検討した。その結果、クニピアFでは三価二成分、二価一成分、クニゲルV1では三価一成分、二価二成分で解析され、どちらの試料も変質により三価成分が多くなった。さらに80Kから300Kの範囲で温度変化による二価および三価の強度変化を測定した結果、二価成分の温度依存性の大きいことが明かになった。
村松 久和*; 田中 栄司*; 石井 寛子*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 藤田 雄三*; et al.
KURRI-TR, 0, p.102 - 106, 1996/02
メスバウア遷移における核電荷半径の変化R/Rは、異性体シフトを生じる有効核電荷半径という。メスバウアスペクトルの異性体シフトはR/Rと核位置での電子密度の積に比例するので、R/Rの値が知られていれば、異性体シフトの測定からプローブ原子の電子状態を定量的に議論できる。本研究では、アルカリ元素のメスバウア核種として有用なCsについて、81keV遷移のR/Rを求める実験を行った。Csの親核Xeをイオン注入した試料について、核位置での電子密度は高分解能内部転換電子測定から、異性体シフトはCsClを吸収体にしたメウバウア測定から求め、予備的ではあるが、R/R~0.510を得た。
村松 久和*; 伊東 誉*; 三沢 雅志*; 三浦 太一*; 小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 藤田 雄三*; 小俣 和夫*; 矢永 誠人*; et al.
Hyperfine Interactions (C), p.396 - 399, 1996/01
RIをプローブとする核物性的研究として、メスバウア核Csの81keVの遷移について、遷移の前後の核電荷半径の変化R/Rを求める実験を行った。R/R0の場合、R/Rと核位置での電子密度の積に比例して、メスバウアスペクトルに異性体シフトを生じる。外殻電子の状態は位置での電子密度に反映されるので、異性体シフトの測定からプローブ原子の置かれている状態を定量的に議論するためにR/Rの値が必要である。本研究では、Csの親核Xeをイオン注入した試料について、核位置での電子密度は高分解能内部転移電子測定から、異性体ソフトはCsClを吸収体にしたメスバウア測定から求め、予備的ではあるが、R/R0.510を得た。
関根 俊明; 小泉 光生; 長 明彦
KURRI-KR-3, 0, p.13 - 17, 1996/00
平成4年に高崎研TIARAにISOL(オンライン同位体分離器)を設置した。これまでに短寿命アイソトープの核分光学的研究では、新核種Pr、Prを同定するとともに、高効率-角度相関測定装置を利用して新しいエネルギー準位を見出して来た。RIのイオン注入による核物性的研究では、Xeを種々の金属試料に注入してCsメスバウア遷移における核有効半径を決定する研究が進展している。また、ISOLにおいて重要なイオン源に関しては、共鳴イオン化を利用するレーザーイオン源の開発を進めている。
佐伯 正克; 中田 正美; 正木 信行; 中村 彰夫
SIF Conf. Proc., Vol. 50 (ICAME-95), 0, p.119 - 122, 1996/00
ペロブスカイト型Eu-Nb酸化物を合成し、uメスバウア分光法及びXRD法でその特徴を調べた。EuOとNbO又はNbとの混合物を高真空下で加熱する合成過程のEuの還元速度は、NbよりNbOの方が速いことが分かった。また、四極子分裂に対する電場勾配が一連の化合物中で、正、負ともに出現することを初めて見いだした。さらに、Euの異性体シフトの値としては、これまで報告された酸化物系化合物中で、飛びぬけて大きい値を見いだした。この値はEu-Oの結合距離と一次の相関があることが分かった。Eu-Oが短くなり、共有結合性が増しても4f電子は結合関与せず、5d、6s、6p軌道の関与があるためと考えられる。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 95-001, 63 Pages, 1995/03
本研究では、炭素鋼およびマグネタイトが模擬廃棄物ガラス固化体の侵出性に与える影響を検討するために、ガラスの表面積と液量の比(SA/V)をパラメーターとした侵出試験を行い、ガラスと鉄を脱気蒸留水中に浸漬させた。鉄試料の化学状態の変化をメスバウアー分光法および粉末X線回折法により検討した。炭素鋼と蒸留水の比(0.1g/l)として、ガラス粉末SA/V=1cm-1、90日間、およびガラス粉末SA/V=10cm-1、364日間浸漬した試料はいづれも完全に腐食変質していることが示された。炭素鋼にガラス粉末を混ぜないで蒸留水との比(10g/l)で28日間、90日間、364日間浸漬した場合では変化は観測されず、ガラス粉末の存在が腐食に寄与していることがわかった。マグネタイトを蒸留水中に浸漬した試料(10g/l)は、ガラスの相対濃度の高い条件では鉄の変質が大きいこと、その変質の度合は浸漬時間に依存していることが示される。ガラス濃度に対してマグネタイト量が少ないと変質の割合は多いことが示され、ガラスの量がマグネタイトの変質に影響を与えていることが明らかにされた。これらのことから、炭素鋼とマグネタイトではいづれも蒸留水だけでは変質は観測されないこと、ガラス粉末と接触させた場合には炭素鋼と水の比に依存して変質することが明らかになった。
塩飽 秀啓; 依田 芳卓*; 原見 太幹; 菊田 惺志*; 大野 英雄
JAERI-Research 94-032, 44 Pages, 1994/11
6.21keVのエネルギーを取り出し、核共鳴散乱光学素子となりうるリチウムタンタレート(LiTaO)結晶の結晶性について、放射光X線を用いて行った。その結果、市販されている結晶(SAW(Surface Acoustic Wave) grade結晶)では、回折強度曲線の半値幅が40秒もあり、また結晶表面には多くの歪みが存在し、核共鳴散乱光学素子として相応しくないことが分かった。しかし、結晶に化学処理を施し、表面近傍の歪み層を取り除くと、歪みのある結晶構造に変わりはないが、半値幅が5秒程度の領域が現われ、核共鳴散乱光学素子として充分利用できることが分かった。
佐伯 正克; 中田 正美; 正木 信行
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(8), p.864 - 866, 1994/08
被引用回数:1 パーセンタイル:26.96(Nuclear Science & Technology)約15年前に入手したAm-241線源を用い、発光メスバウア分光法により線源中のNpの化学状態を調べた。200Kではほぼ4価と5価の状態のみであり,これまでの報告と比較して、線源の化学形は二酸化物であると結論した。80Kでは小さいが新たな第3の吸収が認められた。7Kでは第3の吸収は4価の吸収より大きくなったが、第3の吸収と4価の吸収の和と5価の吸収の比は温度によらず一定であった。第3の吸収の異性体シフトは核外電子密度が高い側へシフトしているが、4価の範囲内に入っていること、及び強い温度依存性を持つことから、Amを置換して格子点に入ったNpであるが、近くに電子を捕捉した酸素空孔が存在している状態であり、長期間保管中に自己放射線損傷が進み、検出されるようになった状態であると結論した。
遠藤 和豊*
PNC TJ1639 94-001, 53 Pages, 1994/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関して提案されている模擬ガラス固化体、鉄試料(炭素鋼、マグネタイト)、緩衝材などについて地中での腐食を想定した条件で化学状態の変化をメスバウアー分光法と粉末X線回折により検討した。オーバーパックについては、ガラス粉末と炭素鋼あるいはマグネタイトの混合物を一定期間浸漬させ、アルゴン雰囲気中で乾燥させ、メスバウアースペクトルを測定した。その結果マグネタイトを28日間水に浸漬した試料では変化は認められなかったが、ガラス粉末とマグネタイトを混合した試料(SA/V=10cm-1、SA/V=0.1cm-1)ではSA/V=10cm-1でFe(III)が観測された。したがってオーバーパックの原料としての炭素鋼とマグネタイトについてはSA/Vを小さくすればメスバウアースペクトルで観測するかぎり変化は見られないことが解かった。
関根 俊明; 小泉 光生; 長 明彦*; 市川 進一
KURRI-TR-377, 0, p.19 - 21, 1993/04
高崎研イオン照射研究施設(TIARA)に設置したオンライン同位体分離器(ISOL)は、安定同位体を用いた調整を経てオンライン実験が可能になっている。これまでにMeVのArビームとMoターゲットとの反応により、質量数126~132のPr,La,Ce等のアイソトープを表面電離型イオン源を用いて同位体分離した。質量数127では、半減期105秒で減衰する新しい線を見出した。この線は新核種Prに帰属する可能性が高く、更に感度を高めた実験により確認する。その他、ISOL用レーザーイオン源の開発、RI注入によるメスバウア分光の状況についても報告する。
C.Suzuki*; 大野 英雄; 武居 文彦*; 坂井 富美子*; 依田 芳卓*; 工藤 喜弘*; 泉 弘一*; 石川 哲也*; 菊田 惺志*; X.Zhang*; et al.
Review of Scientific Instruments, 63(1), p.1206 - 1209, 1992/01
被引用回数:7 パーセンタイル:60.93(Instruments & Instrumentation)放射光を利用した核ブラッグ散乱実験(NBS)のX線光学素子の主体は、メスバウアー核アイソトープ(例えばFe)を含んだ高性能(完全性)単結晶あるいは薄膜である。この目的のためフラックス法によりヘマタイト(-FeO)単結晶を作成し、その結晶性能を放射光を利用したトポグラフ法で調べた。純粋に核のみからの反射である(111),(333),(555),(777)および(999)面からの反射形状の測定結果は理論から推定した形状と極めて良い一致を示した。核ブラッグ散乱実験はトリスタン蓄積リング(AR:高エネルギー物理学研究所)に設置されているビームライン(NE-3)を用い行った。(777)反射を用いた核ブラッグ散乱強度として10000cps以上の強度が得られた。
元井 操一郎*; 佐藤 好毅
窯業協会誌, 84(973), p.454 - 455, 1976/09
高温ガス炉等に使用されるSiNは通常と相とからなるが、鉄が微量存在すると相のみ出現する。そこでメスバウアー効果によって両相における鉄の状態および結晶構造を調べることを試みた。本報は相について得られた結果の速報である。スペクトルは3本からなり、これらは2つの二重項に分離される。いづれもSiを置換したFeイオンによるもので、2種の異なる幾何学的配置を持ったSiNグループが存在すること、1つのグループではSi-N結合にかなり強い共有性が認められることなどが結論される。なお、試料を数ヶ月放置すると相に特有なスペクトルは完全に消滅する。かような顕著な時効も線照射を行った試料では欠出されない。これは鉄イオンが集合してその相互間及び周囲との間に特殊な相互作用が現れるためと解釈される。